許したくない、全部。
謝るって楽でいいなと思う。
謝る方が楽で抱え込む方が苦しい。
憎む方が楽で許す方が苦しい。
それなのに、謝られたら許さなきゃいけない。許さなかったら自分の心の狭さにまた嫌になる。一生憎ませてくれよ。何も考えずに済むように。悪者を作ることで安心させてくれよ。自分が悪者にならないで済むように。
許してしまったら、苦しくてたまらなかったあの頃の自分が可哀想だなって思う。何に怒って何に悲しんで何に助けを求めてたのかわからなくなる。
謝る方は楽だ。自分の過ちが無かったことになる。憤りを全て押し付けて自分だけ楽になろうとしてる。
こんなにも捻くれた考えしか持てずにいる。許したくない全部。虐待のトラウマを植え付けた父親も、助けをくれなかった母親も、「大丈夫」を植え付けた先生も、しんどい時に寄り添ってくれなかった人も、理由もなく無視を繰り返してきたあいつも、全部、全部、全部。
許したくないんだ。一生心に傷を負うのはそっちであって欲しいんだ。抱えて生きていって欲しいんだ。許しを求めてほしくないんだ。
私がおかしくなってからみんな優しくなった。そんな優しさいらない。欲しくない。
欲しかったものは全部、"あの頃"じゃなきゃ意味がない。今じゃない。
世の中みんなそうだ。攻撃するだけ攻撃して、誹謗中傷で誰かが自殺したら掌を返す。その前に気づくべきだ。人は脆い。いつ壊れるなんか誰にもわからない。壊れてから治そうとしたって意味ない。もう手遅れなんだ。自力で治るしかなくなるのに。