それぞれの青春
「高校の3年間は一生もの」「大学は人生の夏休み」「地元の友達は一生の付き合い」そんな言葉に私たちは縛られている。一体誰が作り出した言葉たちなのだろう。
いつからか、高校では青春ぽいことをすること、大学では遊びまくること、地元の友達とは縁を切らないこと、これらがそうであるのが当然で、そうでなくては価値がないかのように義務として私に重くのしかかっていた。
私の高校生活はキラキラよりも泥沼と言った方がふさわしい3年間だったし、大学生活は決して夏休みと言えるほど楽ではなかったし、地元の友達とも環境が変わるにつれて次第に疎遠になっていった。
「学生は気楽でいいね」「高校・大学の友達は一生大事にしなさい」「今が一番楽しい時だね」
こういう言葉を言われるたびに、何を基準に言っているのだろうと疑問に思ってしまう。
たしかに、貴方の学生時代は気楽だったかもしれない。貴方は高校時代、大学時代の友人と今でも繋がりがあるかもしれない。貴方は20代前半が一番楽しかったかもしれない。
けれど、私はそうではない。
いつ大変か、いつの友達とこれから先も繋がっていたいか、いつが一番楽しいのか、そんなことくらい私が決めたい。
いつだって大人は自分の人生と私たちの人生を重ねて、煽てたり責めたりする。しかし、時代や環境が違うどころか、そもそも私は私であり、貴方ではないのだ。感じ方、考え方が違う。
想像力に欠けた大人は、自分の経験でしかものを語れない。本を読み、多くの人と話をし、想像力を培う意味はこんな所にも存在する。